当大会について

ABOUT

MT.AWA SKYRACE2022の紹介

大会のポイント

  • ITRA国際トレイルランニング協会認定ポイントレース
    ITRA Points: 2

認定大会

当大会はISF(International Skyrunning Federation)の認定コース(The Certified Course)となっております。

また、当大会は、Skyrunner® World Series(SWS)の運営しているSkyMan SA,と正式契約を結び大会を運営します。

SWSは、ISF(国際スカイランニング協会)によって正式に認可されています。大会ホームページトップには認定を示す2つのロゴが掲載されております。



大会の理念

己の深い所を知る―自然の中で生かされている

古の時代より人々は山の中で己を深く見つめ、悟りを開こうとしてきました。トレイルランニングは、その頃と同じ【心】を持つ新しい形と言えるかもしれません。

先の見えない、起伏の中、湧き上がる不安や焦りと向き合い、前進する時間は、まさに心の修行。日常生活で忘れがちな本当の自分を知る時です。ここで得た経験を持ち帰り、今まで諦めていたことに挑戦する。そんな、真の強さを養います。

山々を無心で進む経験は、【生きている】という感覚を呼び覚まし、自然に溶け込む瞬間。深呼吸をして、湧き水で喉を潤し、自然の恵みを感じる。この環境を大切できる、平和な心を育みます。



MT.AWA SKYRACE®大会の魅力

1.海外渡航困難の昨今。『いつかは海外レース』の夢を諦めていませんか?日本にいながら、海外レースの過酷さと感動を体験できる大会MT.AWASKYRACEを実現。世界の過酷さを再現するために、1000m以上の標高差を用意。43KMで累積標高は3,100m。

2. 海外レースの魅力を模した大会を作るために目を付けたのは、奥早出粟守門県立自然公園。その【第3種特別地域】は希少動植物保護の観点から、通常、コース設定は難しい場所。管轄機関へ直談判で、『世界を見て来た。ここ(粟ヶ岳)は世界の舞台に相応しい。』と想いをぶつけ、関係機関との無数の対策協議を経て最大限の配慮が認められ、本格的山岳レースが実現。

3.MT.AWA SKYRACE(43㎞)は、DEEP JAPAN ULTRA 100(165㎞)の前哨戦で距離は4分の1ながら、累積標高は3分の1で最も過酷な区間を切り取った姉妹レース。夜間部分の試走兼トレーニングに最適。

山岳レースのワールドカップ、Skyrunner® World Series、世界戦である当大会。新潟県三条市粟ヶ岳に国内強豪選手の集まる一戦で世界戦の雰囲気を感じる貴重な機会です。



MT.AWA SKYRACEについて

粟ヶ岳について

豪雪地越後新潟にそびえる独立峰で日本300名山のひとつ。

標高1292.6mながら5.5キロの登山道で標高差1100mを獲得する登り応えのある山であり、急峻な山容と豪雪の為に森林限界約1000m。残雪期はアルプスを思わせる。5月には希少種ヒメサユリ群生が美しい。

地元では『粟ヶ岳に登れればどこでも登れる』と言われ、位置する下田郷のシンボル的な存在。

世界のMT.AWAへ 粟ヶ岳でSKYRACEを開催する理由

2016年初開催から僅か4年という異例のスピードでワールドシリーズ、しかもその世界開幕戦を実現させた立役者、プロトレイルランナー松永紘明の想いとMT.AWA SKYRACE誕生秘話。

<プロトレイルランナー 松永 紘明 プロフィール>

1980年静岡県出身、新潟県在住のプロトレイルランナー。ワールドシリーズ(ヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、アフリカなど)に参戦し数々の世界戦で入賞するアスリート。また、2006年より新潟県を拠点にアウトドアスポーツイベントの主催・プロデュースを担う『トレイルランナーズ』代表と2足の草鞋を履く。
自身の世界での経験を生かし、全国6か所にて年間15大会以上を主催。『人生変わりました』のきっかけ作りをテーマに、3歳から出場できるトレイルランナーズカップから世界戦まで幅広い大会を手掛ける。
SNSはもちろんYouTube、ボッドキャストなど映像音声メディアでの発信も精力的に行う。

<三条市 粟ヶ岳との出会い>

あれは2010年頃だったと思います。世界一美しく、そして厳しいUTMBという事実上の世界選手権で輝くためにトレーニング場所を探していました。この大会はフランス・イタリア・スイスと国境を超えながら西ヨーロッパ最高峰モンブランの周りを一周する壮大な大会です。
粟ヶ岳は、そのコースに似た斜度や険しさで自宅から車で30分ということもあり、毎日のように通いました。1往復から始め、2往復、3往復、4往復。多いときは12時間かけて6往復しました。最初はトレーニングのためだったのですが、6往復する頃には僕はすっかりこの粟ヶ岳の虜になっていました。同じ山を6往復ですよ。普通はできません。
それを可能にしてくれたのはこの粟ヶ岳には、毎回違う顔を見せてくれ、何度でも登りたくなるその魅力に気が付いたのです。世界中の山々を見てきた僕でしたが、この山には、僕が見てきた世界の山々に勝るとも劣らない魅力があると気づいてしまったのです。

< 粟ヶ岳のポテンシャル>

新潟県三条市と加茂市の境にまたがる標高1,293mの粟ヶ岳。世界へ誇る米どころ、新潟平野からその頭をみることができます。
地元小学校登山で使われることもある麓では馴染みの存在でコースによっては小学生でも楽しめる。粟ヶ岳に登れれば大抵どの山でも登ることができると地元で言われるほどで、アルプスのトレーニング等にも最適な山です。
日本三百名山にも数えられ、晴れた日には佐渡島や能登半島まで望める見晴しの良さや景観も魅力。両側の切り立った午の背や9合目付近から見える景色は、素晴らしく、特に残雪期の迫力は、ヨーロッパアルプスに勝るとも劣りません。初心者向けのハイキングからワールドクラスのコースまで設定できる、ポテンシャルに溢れた名山だと思います。

<MT.AWA SKYRACEの誕生>

世界へ挑戦する僕の心身を鍛えてくれた粟ヶ岳。その恩返しがしたいと思うようになりました。『こんなに素晴らしい山なのにみんなが知らないなんておかしい』埋もれた宝のように感じたのです。この山に相応しい舞台を用意して世界に発信すべきだというある種、使命感を感じました。
まずは、三条市や下田郷に住む地元の方々に粟ヶ岳の魅力を再認識してもらう機会を設け、直接語りかけました。世界を見てきた僕が率直に思うこの粟ヶ岳のポテンシャルをぶつけたのです。『みなさんにとっては空気のような当たり前の存在かもしれません。しかしその粟ヶ岳は、世界中の山を見てきた僕にとって、世界の山に勝るとも劣らない素晴らしい名山なんです。将来世界戦を視野に大会を開催させてください』と。
最初はさまざまな反応がありました。そんなことができる訳がないという声もありました。しかし僕は、向かい風を受ければ受けるほど高く舞い上がる凧のように、この向かい風を力に、粟ヶ岳を世界に届けようと決めていました。一つ一つ粘り強く説明を重ねていった結果、『俺が生きているうちに世界戦をやろう』と言ってくれる方が現れました。今では地元の方に“来年はいつやるんだ”と声を掛けていただけるようになりました。

<世界のMT.AWAへ>

2006年当初から僕は、世界を意識して大会運営を行ってきました。その表れの一つがロゴです。ロゴデザインはローマ字ながら筆字体を用い、日本らしさを演出。今でも世界中の選手から“SO COOL(カッコイイね)”と言われています。
2018年、本格的に世界戦誘致を実現するために動いていた6月。たまたま選手としてスイスの海外レースから招待を受けました。これはチャンスとスイスに本部を置くワールドシリーズ主催者スカイマンに日本人で初めて直接アポイントを取り付け、レース後、スイスジュネーブ空港で初交渉。その場では日本での世界大会開催を強くアピール。
当初は5kmの山道を一気に駆け上がる「バーティカルキロメーターワールドサーキット(VKWC)」を想定していました。しかし、スカイマンからの提案は、『VKWCでは世界中から選手を集めるのは難しい。20~30km程度のコース「スカイレース」を開催してくれないか。(当時)中国でのワールドシリーズとセットでアジアステージを設け、世界をアジアで幕開けさせたい。そのために日本がどうしても必要なんだ。』と。
帰りの飛行機の上、一人、困惑したのを覚えています。帰国と共にその足で当時市長に会う機会があった時、まるで龍の背中に乗っているかのような不思議な運命を感じました。そこで覚悟を決め、『市長、スカイレースをしましょう』と。
9月頭、市長とスイス、ジュネーブ空港で落ち合いスカイマンと開催で合意。そこからは、コース開拓やスカイマンとの正式契約、海外選手の手配やその他交渉事が続く中、自身選手として100マイル参戦のトレーニングを続けるという、それまでの人生の中で一番大変な時期でした。しかしなんとか乗り越え、異例の速さで2019年4月、ワールドシリーズ開催が実現。2016年当時、地元の皆さまに語っていた夢物語『世界戦開催』を有言実行させました。
日本トップクラスの過酷さを誇るコースに仕上がり、世界トップ選手からも『ブナの道のジェットコースターのような激しいアップダウンが最高だ!』『残雪のどこまでも続く山々はヨーロッパのようだよ』と高い評価を受けています。(世界クラスのコースをいつでも体感できるよう、実際のコースマップも公開しています)。実はまだ世界大会で試せていない絶景コースもあるので、今後の開催が楽しみです。

<次の世代へのメッセージ>

自然の中で行いその恵みを享受するアウトドアスポーツだからこそ、環境への配慮は人一倍行うべきだと考えています。MT.AWA SKYRACEでもSDGsに則りペーパーレス化やごみ問題はもちろん、ジェンダー平等実現などにも取り組んできました。「大会の後に残して良いのは感動だけ」だと考え、持続可能な大会を目指しています。
また、このMT.AWA SKYRACEをきっかけに多くの地元の子どもたちに世界を肌で感じてもらえればと思います。地元学校関係者にも言われましたが、この大会を通じて「本物」を見てもらうことが大事だと考えています。
その経験や衝撃は、きっと多くの子たちの心の旋律に触れることになるでしょう。それが、地元を愛する心、誇りに思う心を育てると思います。これが長い目でみた地域活性化になると信じています。大きくなった時、あの小学生の時みた、MT.AWA SKYRACEのおかげで僕はプロのアスリートになりましたとか、粟ヶ岳は素晴らしいところだと気づいたんで地元で事業を興しましたという次の世代が育っていくようになればと思います。地元の皆さまのおらが町自慢となるそんな大会に育てていきます。

【松永紘明】
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